誠の華−ユウガオ−
パシャッ
「ふぅーーーー」
真冬の冷たい水は頭をスッキリさせるのに丁度いい。
今日は満月だ。
総司に教えて一緒に見よう。
そんな事を考えていると背後から足音が聞こえてきた。
振り向くと泣いていたのか、目を赤くさせた新八さんがいた。
新八さんのこんな顔は初めて見た。
「お前に話さなきゃいけないことがある」
数馬の事だろうか。
もしそうなら聞きたくない。
「さっきの続きだが…」
「新八さん、もういいよ。大丈夫」
新八さんの言葉を遮るように言ってその場を離れようとしたが彼は許してくれなかった。
「離して。これから総司のところに行くの。せっかく目を冷やしたのに、また冷やさなきゃいけなくなるじゃない」
随分と不恰好な笑顔だった思う。
でもこれが今精一杯浮かべられる笑顔だった。
「悪かった。俺の力が足りないせいだ。俺のせいで数馬も他の奴らも死んだんだ。許してくれとは言わない。本当に悪かった」
私なんかに深く頭を下げる新八さんの姿にまた涙が浮かんでくる。
私に新八さんを責める資格なんてこれっぽっちもないのに。