誠の華−ユウガオ−
いつからだったろうか、彼があんな風に変わってしまったのは。
度の過ぎるお人好しで人を惹きつける力があった勇さんを多くの者が慕っていた。
局長という立場でありながら平隊士と夜通し酒を呑んでいるような人だった。
なのに今やその面影は微塵も感じられない。
そうだ、思い出した。
幕臣に取り立てられたあの日からだ。
権力に飲まれわがままで傲慢な局長へと成り下がったのは。
勇さんに対する不満がドロドロと湧き出ているとツン、と眉間に触れられた。
「雪、それじゃあいつか土方さんみたいになっちまうぞ」
悪戯っぽく笑う新八さんに指摘され、慌てて眉間に手を当てる。
「やだ、皺が寄ってた?!」
「おー、そりゃもうくっきりとな。一瞬土方さんかと思ったぜ」
「酷い新八さん!!!」
「…ほぅ?俺の顔に似るのはそんなに嫌か雪」
バシバシと新八さんの肩を叩くと聞き慣れた声が響き動きが停止する。
恐る恐る後ろを振り返ると壁に寄りかかり腕組みをする歳さんの姿が目に映った。