誠の華−ユウガオ−
「ははっ、何をそんなに怒ってんだ。そんな顔じゃいつまでも嫁に行けねえな」
「はぐらかさないでっっ!」
歳さんの胸倉を両手で掴んで言うとさっきまでのヘラヘラとしていた顔がスッと消えた。
京にいた頃、再会した時のような冷え切った目だった。
「俺はもう引き返せねえとこまで来ちまったんだよ。今更止めたって遅すぎんだ。だからお前がいくら泣こうが喚こうが俺は行く」
「行かせない!!もうどこにも行かせない!!誰も死なせない!!死ぬ必要ない!勇さんも総司と山南さんも平助も源さんも誰もそんなこと望まない!!」
「うるせぇな……お前に何がわかるんだよ……。唯一無二の大将を失った俺の何がわかるって言うんだよっっっ!!」