誠の華−ユウガオ−
何を言っているのか理解ができなかった。
逃すと言ってるのに何故斬れだなんて言うのか。
段々と腑抜けた平助の顔に腹が立ち俺は力任せに平助の頬を殴り飛ばした。
「何考えてやがる!!せっかく近藤さん達が俺達を寄越したってのにお前はその意味に気がつかねえのか!!!」
唇の端から流れる血を拭うこともせず平助は瞳を揺らした。
「……何でだよ。俺は…、新撰組を裏切ったんだぞ……?」
「馬鹿野郎が。自分の志を信じて伊藤さんにお前は着いて行ったんだろう。そんな奴を責められるわけねえだろ。お前は一生俺達の同志なんだよ」
「っ…左之さん……、俺っ…」
何かを言おうとする平助の腕を掴み起こすとそのまま強く背中を押した。
「二度とその面見せんじゃねえぞ。途中で死んでみろ、そんときゃあの世でボコ殴りだからな」
平助は一度立ち止まり俺を振り向くと「ありがとう」と言って走り出した。
良かった、平助を逃せて。
安心しきったその時、浅葱色の影が俺の前を通り過ぎた。
まずい。
そう思った時にはすでに遅く、視界の端で血飛沫が上がるのと同時にドサッと音がした。
「平助ぇぇぇえぇぇぇえええ!!!!!」
ー原田side endー