誠の華−ユウガオ−
開戦から二日。
まだ日も昇り切っていない朝、首に下がる二つのターコイズを握り締めながら物思いにふけていた。
平助が死んだあの日からずっと肌身離さずつけていた。
「何で…死んじゃったんだよ……。平助も、山南さんも。置いて行かないでって、一人にしないでって、あれだけ言ったのに……」
涙は流れないものの張り裂けそうな胸の痛みはあの日から健在だ。
ジャリッ
砂を擦るような音が聞こえ、反射的に振り向くと数馬が気まずそうな顔をして立っていた。
「…………座れば?」
少し気恥ずかしかったが一人も寂しいので隣に座るよう促した。