誠の華−ユウガオ−
「…っ……す…ませ…」
噴き出す血を顔で受け止めたのと同時にドサッと音を立てて裕次郎は地面に倒れた。
「…ゆ…じろ……?」
震える手で裕次郎に触れるが何も起こらない。
何でなの。
すぐに触れたのに。
何で目を覚まさないの。
私が手を怪我したからなの?
嫌だ、そんなの…嫌だ。
「無様だな。所詮新撰組だ。犬死こそがこいつらには誇らしい死だろう」
ピクリとも動かない裕次郎を見て笑い声をあげる男達。
何もできない自分が悔しくて情けなくて強く握りしめた砂を奴等の顔に投げつけた。
「犬死なんかじゃない!!裕次郎は…自分の誠に従って死んだの!!お前ら雑魚に無抵抗で死ぬもんかって!!」
「チッ。小賢しい女だ。こいつも殺れ」