誠の華−ユウガオ−
室内に緊張が漂い鼓動が早く聞こえる。
「お前に新撰組を抜けてもらいたい」
その言葉はどんな鋭利よりも強烈に胸に突き刺さった。
ここまで頑張ってきたのになぜ急に突き放すのか。
歳さんに掴みかかり問い質したかった。
深く深呼吸をすると震えを押し殺して尋ねる。
「理由を聞かせて下さい」
女だから?
怪我をしたから?
治癒能力が使えないから?
私は新撰組に必要がない?
様々な理由が頭に浮かび、しつこく深く繰り返し胸に突き刺さる。
しかし歳さんから言葉は発せられない。
「怪我をしたからですか…?もう、私はいりませんか?」
「あぁ」
違うって、言って欲しかった。
何年も貴方達の背中を追いかけて、ようやく手が届いたと思ったのに。
お願い、私が必要だって言って。
「だがそれだけじゃない。お前、総司には会ったか?」