わたしはあなたにときめいてます


『おはようございます』

『おはようございます。香澄さん』

『吉広さん。お誕生…』

ピンポーン。

チャイムが鳴る。

『こんな早い時間に誰でしょう…。
はい…』

吉広さんが玄関のドアを開ける。

『花梨!!
こんな朝早くにどうしたんです?』

花梨さん?

『誰よりも早く会って言いたくて…。
吉広…誕生日おめでとう!!!』

『花梨……』

『誕生日プレゼントも持ってきたの。
どうぞ』

『ありがとうございます』

『開けてみて』

『分かりました。
これは……』

『前から欲しがってたでしょ?
星の図鑑』

……えっ?

『……知ってたんですか?』

『当たり前じゃない。
あなたの彼女だもの。
知らない事なんて何もないわ』

『本当に嬉しいです。
ありがとうございます』

『吉広が喜んでくれて、私も本当に嬉しいです。
また後でね』

『はい。
また後で会おう』

吉広さんが玄関のドアを閉める。

『吉広さん』

『何ですか?』

吉広さんが嬉しそうに花梨さんからもらった星の図鑑を見ている。

わたしが買ったものより高いものだ……。

『どうしました?』

『誕生日だったんですね。知らなかったです。

お誕生おめでとうございます』

『ありがとうございます』


その日が来るまでは花梨さんはずっと良い人だと思っていたのに……。
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