わたしはあなたにときめいてます

「……辞めるんですか?」

わたしの向かいに座っている吉広さんの顔がくもる。

「はい。明日付けで仕事を辞めます」

「何か…あったんですか?」


『辞めるように言ってくれって言うのは』

『彼女と仕事するのが嫌みたいでね……』

ありました……。

「いえ。何もありません。
自分にこの仕事は合わないと思ったので辞めました。
国吉さんに紹介してもらったのに、すいませんでした」

わたしは吉広さんに頭を下げる。

「…後悔しませんか?」

後悔…するかもしれません……。

「後悔しません」

「そうですか……。
顔を…上げて下さい」

「はい」

顔を上げると、吉広さんがわたしを見てにっこり笑う。

「大丈夫ですよ」

「はい」

吉広さん……。

わたしのせいで…ごめんなさい……。

「吉広さん」

「はい」

「母から連絡が来ました」
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