婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
レストランを出て部屋に戻ろうとエレベーターを待っていたら、その扉が開いて思わぬ人物に出くわした。

拓海さん⁉︎

エレベーターから拓海さんが綺麗な女性と一緒に出てきて、私の身体は瞬時に強張った。

玲人君もすぐに気づいて私の腰に手を回して、守るようにしっかりと抱く。

「おや、こんなとこで会うとは奇遇だなあ」

私達を見て拓海さんはニヤリと笑うが、玲人君は無表情。

玲人君の拓海さんへの怒りは相当なようだ。

彼は私がフレンチレストランに拓海さんに連れて行かれた夜、拓海さんからもらった香水と口紅を紙袋ごと宿泊したホテルのゴミ箱にポイと投げ捨てた。

物に罪はなかったのだが、見ると拓海さんを思い出すし、不快だったのだろう。

「こんばんは」

気の利いた言葉が見つからず、そう挨拶を返すが顔が引きつった。

「どうも」

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