婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
顔を海水につければ、海の中には珊瑚のお花畑が広がっていた。

わあ〜、すごい!と叫びたい気持ちでいっぱいだが、マウスピースを咥えていて声にならない。

熱帯魚も珊瑚の周りにたくさんいた。

あのオレンジに白い帯模様が入ってるのは……クマノミ!

海で泳いでるのを見たのは初めて。

自分が見つけたかと思うと、すごく嬉しくなる。

近くを泳いでいる玲人君の腕を掴むと、海面から顔を上げた。

玲人君も続いて顔を上げ、私に声をかける。

「どうしたの?」

「今そこにクマノミいたよ。すごいね。水族館みたい」

私のお惚け発言に、玲人君は苦笑した。

「水族館は海を真似てるんだけど……」

「あっ……そうでした」

本家は海でした。

彼の指摘にペロッと舌を出す私。

海さん、馬鹿なこと言ってごめんなさい。

再び彼と並んで珊瑚の岩の周りを泳いでいたら、深い海の底が見えた。
< 178 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop