婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました

ふわりと微笑んで挨拶すると、酒田会長はハハッと笑った。

「あの話の続きがあるんだ。また今度時間がある時にでもどうかね？」

「是非お願いします」

にっこりと微笑むと、チラリと佐藤さん達を振り返った。

「こっちは大丈夫です。ちょっと外しますね」

声を潜めてそう言うと、酒田会長を案内し、また受付に戻った。

すると、小鳥遊さんがいて、私に気づいてポンと肩を叩いてきた。

「さっき、酒田会長をうまく取りなしてくれたんだって？栗田さんがいて助かったよ。怒らせると厄介な人だからね」

小鳥遊さんはお礼を言うけど、私はたいしたことをしていない。

「いえいえ、たまたま酒田会長の顔を覚えていただけですよ」

「栗田さんはいつもそうやって謙遜するけど、すごい事やってるんだよ。八雲商事の社長だって栗田さんが勧めてくれたお菓子喜んでくれたしね。もっと自信持って」