婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
同じ秘書室で働いているんだもん。

開会の時間になり、少しずつ片付けを始めたら、今一番会いたくない人が現れて、私に話しかけた。

「よお瑠璃、ちゃんと仕事してるか?お前、そそっかしいから心配だなあ」

拓海さんが私の頭を撫でてきて、ゾワワ〜と鳥肌が立つ。

あー、厄介な人が来ちゃったよ。

玲人君は会場にいるし、何かされるんじゃないかと不安で仕方がない。

「今日は栗田社長は出席されないのですか?」

顔を引きつらせながら拓海さんに確認する。

確か招待状の返事は、父が出席するとなっていたはずだ。

「あれ?瑠璃知らないのか?社長は今休養中。俺は社長の名代」

……お父さんが休養中?

ええ〜⁉︎

そんなの初めて聞いたよ。

ひょっとして、さっき玲人君のお祖父様が言いかけたのってこの事?

最近、お母さんとも電話で話せていない。
< 202 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop