婚約破棄するつもりでしたが、御曹司と甘い新婚生活が始まりました
連絡手段はもっぱらメールだ。

お父さん、病気か何かで倒れたのだろうか?

「そうか。お前、今九条の御曹司のとこにいるんだっけ?伯父さんがどういう状況か知らないんだな」

拓海さんはギラッと目を光らせ、黒い笑みを浮かべる。

その目を見て身体が強張った。

「伯父さんのことを教えてやるから、ちょっと来い」

拓海さんはいきなり私の腕をガシッと掴んだ。

「ま、待って下さい。私は仕事中で」

言い訳してその場をやり過ごそうとするも、彼は腕を離してくれない。

「もう式典始まってるんだろ?受付はもうほとんどすることないだろうが」

鋭く突っ込んで、私を受付から少し離れたトイレの方へ連れて行こうとする。

もう嫌な予感しかしない。

必死に辺りを見回して小鳥遊さんの姿を探すが、彼は会場に入ってしまったのかいなかった。

どうしよう〜⁉︎

「栗田さん?」
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