女の賞味期限
「気を遣わなくて、よかったのに。」

「いいえ。」

私はなるべく長岡さんの上半身裸を見ないように、背中を向けた。

「ハンカチ、届けてくれてありがとうございます。」

「こちらこそ、ありがとうございました。」

私は、壁の方向に向かって、頭を下げた。

なんだか背中越しに、頭を下げるのもおかしな話だ。


「ところで、何で背中向けてるんですか?」

私は、はあ?っと目を大きく開けた。

君が、上半身何も着ていないからでしょう?

と、言いたいところだが、何故お世話になった人だし、そこまで強く言えない。

ここは優しく、そう優しく、さりげなく気づいて貰わなければ。


「えーっと……長岡さん、上に何も着てないですよね。」

「ああ……」

ああっって!!

それがどうかしたみたいな返事。

しかも、眠そうに欠伸までしている。

今の若い奴は、上半身裸でも恥ずかしくないのか!

って、そう言う事自体、既にオバサンなのかな。

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