女の賞味期限
「で?昨日の事。」

またその話、聞いてくるか。

気になった事は逃さない。

仕事でも、恋愛でも大切な事だ。


「いいでしょう?誰にも話さないから。」

こうなったら、逃げられないですわ。

私は、目を閉じて息をゴクリと飲んだ。


「……会社に、気になる人がいたの。」

「ああ、オフィスラブってヤツですか?」

私は、ソファに背中を預けた。

「そうなったら、よかったんだけどね。」

遠くの壁を見つめると、三条君の笑顔を思い出す。


「何か、あったんだ。」

「それが大あり。」

目の前のコーヒーをすすって、私は一息ついた。

「誘われたのよ。呑みに。」

「へえー。二人きり?」

「そう。仕事手伝ってくれたお礼だからって。仕事帰りにね。」

「やるじゃん、その男。」

あの時の事を思い出すと、また胸がときめく。

久々に男性に誘われたあのドキドキは、いくつになっても、新鮮なモノだ。



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