女の賞味期限
そして時間は経ち、あっという間に夜になった。

三条君との待ち合わせは、皆に見られる事を恐れて、会社の外にした。

私はオフィスを出ると、洗面所で化粧を直した。

ファンデーションを塗り直し、口紅も塗り直す。

久々のお洒落だ。


三条君は、会社があるビルの、端で待っていてくれた。

黒のロングコートが、やけに似合っている。

「三条君。」

「ああ、柏崎さ……」

私を見た三条君が、口を開けたまま、固まっていた。

「お待たせ。」

私は、軽く息を弾ませ、三条君の近くに寄って行った。

「あっ、いや……」

おそらくいつもと違う雰囲気の私に、戸惑っているのだろう。

「じゃあ、行きましょうか。」

「は、はい……」

私が真っすぐ前を指した後も、三条君は緊張していた。


「どこ行く?」

「ここを真っすぐ行ったところに、美味しい居酒屋があるんですよ。」

三条君は、私を見てニコッと笑った。

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