女の賞味期限
「ん?」

私は、何か変と言わんばかりに、大成君を見返した。

「……遥香さん。いくらなんでも、それはないよ。」

「何が?」

「ジャージに着替えてるって、まるで僕の事、男だと思ってないじゃん。」

私は、目が点になった。

確かにお洒落なジャージじゃないけれど、これが着心地がいいというか……

それよりも、男だと思ってないって、どういう事!?

「この方が、気を遣わなくない?」

「全然意味が違う。それじゃあ、女捨ててると思う。」

頭に、タライが落ちて来た気がした。

女を捨ててる……

「せめて、普段着でいて。ね。」

「分かった。」

再び部屋に戻る私は、十分に打ちひしがれていた。
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