後輩♂になつかれました。

彼の言葉に、あれは夢じゃなかったんだと気づく。

「ごめん。」
ちゃんと覚えてなかったことを謝ったつもりだったんだけど…

「そうですか。じゃぁ。」
彼が傷ついた顔をして帰ろうとした。

「待ってっ!!」
彼の服を掴んだけれど…
「これ以上、惨めな気持ちにさせないでもらえますか?」

違うっ。そうじゃなくて!!
なんて伝えたらいいのかわからなくて、、気持ちだけが焦る。

「先輩。帰るんで離してください。」

待って。やだ。帰らないで。
気持ちが言葉にならなくて、涙が出てきた。

「せん、ぱい??」
彼が驚いたように私を見たあと、ふっと呆れたように微笑む。
「そんな顔されたら、期待しちゃうじゃないですか。」


彼の顔を笑顔を見たら、自然と言葉がもれる。
「好き。猛流くんが好きなの。」
「でも、さっき『ごめん』って。」
「違う。覚えてなくてごめんなさい。私、酔ってたし、猛流くん態度変わらないし、夢だと思ってたの。」
「………」
彼が苦い顔をする。

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