泡沫の夜
「やっと着いたー」
目的地の公園の駐車場に車を止めて、2人並んで園内をゆっくり歩いた。
足湯の場所はもう目の前だ。
「桜が咲いたら壮観だね、きっと」
「だろ?ほら、蕾少し膨らんでる。来週から暖かくなるらしいから、咲く時はあっという間だろうな」
「仕事じゃなくまた来たいね」
「来よう。また、2人で」
そうだねと答えて、伸ばされてきた手に自分の手を重ねた。
大っきくて温かい理央くんの手。
足湯の場所には誰もいなくて、ラッキーとばかりに貸し切りを楽しんだ。
湯質はサラサラしてて、少し熱いと感じるくらい。
湯につけてある部分が赤くなってきて、徐々に体がポカポカしてくる。
足しか浸かってないのに、全身が温まるのって本当スゴイ。
ほんわりと心まで暖かくなってきて、とても気持ちいい。
「羽奏、お風呂に入った後みたいに頬まで火照ってる」
「え、ホント?」
自分の頬を両手で触ると確かに温かい。
不意に伸びてきた理央くんの両手が私の手に重なった。
「……理央くん?」
目の前には理央くんの顔があって、なんだか妙に恥ずかしい。
「羽奏の頬、柔らかい……団子みてぇ」
え。
団子、ですか?