White girl
バッと体を離すと、悪どい顔をした仁と目が合う。
そしてさらに、ハッと小馬鹿にしたように笑う。
くっそ……
悔しくて仁の胸板をドンドンするけど、全く効いていない。
いや、学習しろよ。私。
仁は余裕そうに、まだ黒い笑みを浮かべている。
「私、鍛えようかな…」
蓮さんには反対されたけど、やっぱりこの事態は深刻だと思う。
「…どうせ鍛えても弱ぇーだろ。」
ボフッ
完全にキレた私は、
側にあったクッションを仁の顔面にぶち当てる。
そのスキにとりあえず仁から距離をとった。
ゆらり。とこちらに近付いて来る…。
正直めっちゃ怖いけど…今日こそは負けてらんない。
………やっぱ逃げよう。
目の前まで来たとこで怖じ気づいて、ダッと体を反転する。
けど、足を掴まれた。
「うわっ」
転ぶ…っ!と思ったけど、私の体は逆さまの宙吊りになっている。
うわー………。
「もう…!離して!」
ガチャッ
「仁、失礼するよ……って、何してるの?」