White girl




バッと体を離すと、悪どい顔をした仁と目が合う。

そしてさらに、ハッと小馬鹿にしたように笑う。


くっそ……


悔しくて仁の胸板をドンドンするけど、全く効いていない。


いや、学習しろよ。私。


仁は余裕そうに、まだ黒い笑みを浮かべている。


「私、鍛えようかな…」

蓮さんには反対されたけど、やっぱりこの事態は深刻だと思う。


「…どうせ鍛えても弱ぇーだろ。」

ボフッ

完全にキレた私は、
側にあったクッションを仁の顔面にぶち当てる。


そのスキにとりあえず仁から距離をとった。

ゆらり。とこちらに近付いて来る…。

正直めっちゃ怖いけど…今日こそは負けてらんない。



………やっぱ逃げよう。

目の前まで来たとこで怖じ気づいて、ダッと体を反転する。


けど、足を掴まれた。

「うわっ」

転ぶ…っ!と思ったけど、私の体は逆さまの宙吊りになっている。


うわー………。


「もう…!離して!」



ガチャッ

「仁、失礼するよ……って、何してるの?」






< 103 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop