小悪魔な彼


同時に私は意識が飛ぶ前のことを思い出す。


私…小森くんにイカされたんだ!しかも,かなり無理矢理…。


「…なんであんなこと,したの?」


私は怒る気にもなれず、力なく呟いた。


「だって…可憐さんが可愛かったから…」


「は!?理由になってないわ!」

小森くんは「確かに。」なんて言ってクスクス笑う。


「…嫉妬,したんだ。」


「嫉妬?…って,何に?」


「…学に。」


学に…って,杉山くんに?
小森くんはしゅんとして私を見る。


「学が可憐さんとやけに仲良くしてんだもん。
触れていいのは俺だけなのに…」

「いや,別にあんたも許されてないけど。」


「嘘でしょ!?」


小森くんはわざとらしく驚いた。



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