花に美少年
「・・・めいちゃんって、ときどき意地悪だね」
「それはどうも」
「でもやっぱり可愛い」
「・・・は、え?可愛い!?」
「うん。可愛いし、料理上手なんて最高だよ」
いったいどれだけ口説き慣れているのか。ムカつくほど饒舌な男が私を揶揄い笑う。
年下のくせに。高校生のくせに。
「ねえ、何でここに住んでるの?」
「ん?」
「だって高校生で一人暮らしって、珍しいでしょ?」
「ああ、うん。そうだね。でも今だけだよ?」
「今だけ?」
「一人暮らし始めたのも12月から。それまでは普通に家族と住んでいたよ」
「そうなの?」
「家を建てたから引っ越したんだ。でもそれが俺の学校から結構距離があったから、卒業までの期間だけ一人暮らしすることになったんだ。だから、この辺りには元々住んでた」
まだ二つある人参をお皿の隅に寄せながら、結児君が自分の状況を説明する。
「なるほど。だから物も少ないのか」
「そうかな?」