消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。







「面白かったねえ〜」


「ずずっ……ん、本当に」


「あはは。ラストは感動したよね」



上映終了後。


ウキウキした様子が手に取るように分かる、軽い足取りの畑中さんに鼻をすすりながら応対する。



本当に感動した。


畑中さんがはしゃいでいるのに、男の僕が泣くなんて……


いよいよ、男としての尊厳が失われつつあるな。


本日2回目、そんなことをしみじみ思うのだった。




「でもやっぱり2人、結ばれなかったね」


ポツリ、呟かれた言葉に振り返る。


思いの外、穏やかに言っているものだからビックリする。


感慨に耽っているというわけじゃなくて、何の気なしに話しているような感じだ。


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