初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
目の前に置かれた12月の限定メニューに目を奪われた。
これをオーダーした時は、まさかこんな話しの流れになるなんて思ってもみなかったからノリちゃんに写メ撮って自慢してやろうなんて思ってた。
「うわー。おいしそう」
「本当だね、どうぞ冷めないうちに」
「あ、うん。食べようか」
話が途切れた事は少し残念だけど。
坂下くんを見ながら聞き続けるのは、さすがに私もその痛みが伝わってきて辛くなってくる。
それに、奥さんの名前が“くるみ”だったというのもなんか……
“クルミ”そう呼ばれ続けているせいか、私自身名前よりも耳慣れている。
だからあの時、自分の事を呼ばれていると思って。
でも顔を見て「おやすみクルミ」と言ってくれたのは?
まぁでも、あれか。あの日坂下くん相当飲んでたもんな。
私じゃなくて奥さんの事を思い出しながら飲んでいたのかもしれないな。
胸の奥がさっきよりも痛くなった気がした。
「おいしいね。やっぱりこれ、ノリちゃんにも教えてあげよう」
そんな気持ちを振り払うようにして言ってスマホを取りだした。
きっと、これノリちゃんの好きな味だ。私とはこの店に来なかったし、知らないだろう。
「ちょっと写メ撮ってノリちゃんに送っていい?」
そう言ってから撮ったそれを添付してメールを送った
これをオーダーした時は、まさかこんな話しの流れになるなんて思ってもみなかったからノリちゃんに写メ撮って自慢してやろうなんて思ってた。
「うわー。おいしそう」
「本当だね、どうぞ冷めないうちに」
「あ、うん。食べようか」
話が途切れた事は少し残念だけど。
坂下くんを見ながら聞き続けるのは、さすがに私もその痛みが伝わってきて辛くなってくる。
それに、奥さんの名前が“くるみ”だったというのもなんか……
“クルミ”そう呼ばれ続けているせいか、私自身名前よりも耳慣れている。
だからあの時、自分の事を呼ばれていると思って。
でも顔を見て「おやすみクルミ」と言ってくれたのは?
まぁでも、あれか。あの日坂下くん相当飲んでたもんな。
私じゃなくて奥さんの事を思い出しながら飲んでいたのかもしれないな。
胸の奥がさっきよりも痛くなった気がした。
「おいしいね。やっぱりこれ、ノリちゃんにも教えてあげよう」
そんな気持ちを振り払うようにして言ってスマホを取りだした。
きっと、これノリちゃんの好きな味だ。私とはこの店に来なかったし、知らないだろう。
「ちょっと写メ撮ってノリちゃんに送っていい?」
そう言ってから撮ったそれを添付してメールを送った