初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「おはようございまぁす」

金曜日の朝、やけに気合の入った服装の愛羅ちゃんがロッカーに入ってきた。

「おはよ、なんか今日は一段と可愛いね」

「ありがとうございます!クルミ先輩もいい感じですね♪」

「そ、そうかな。ありがと」

昨日の帰り、愛羅ちゃんに「明日は綺麗めでお願いしますね」と言われたから一応それなりの服装で来たつもり。

愛羅ちゃんの付き合いで雑誌に載っていたレストランやバーに行く事もあるからきっと今回もそれだろうと特に聞きもせずにいたけど、それにしては愛羅ちゃんの服装は可愛らしすぎる。そう、まるで合コンかなんかに行くみたいな……

「クルミ先輩、今日は絶対定時で終わらせてくださいね」

「う、うん。わかったけど。愛羅ちゃん今日ってさ――…」
「あー私っ、早く準備しなきゃいけないのがあるんでした!クルミ先輩またあとで」

そんなのあったっけ?
基本的に私は愛羅ちゃんの仕事を把握している。記憶している限りではなかったような気がするけどたまに部長が私をすっ飛ばして直接お願いする事もあるみたいだからそれかもしれない。

目いっぱい着飾ってるから、きっと今日は食事なんだろうな、そう自分で勝手に結論づけて仕事に向かった。
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