初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
私がメールの返信を入れている間にオーナーと話をしていた相良さん。彼は誰とでもすぐ打ち解けるのかすっかり常連みたいに見える。
このお店でこんな光景を見るのは……、先輩と来て以来だと言う事を今想い出した。
やっぱり想い出せばチクリと胸が痛むけど、前とは明らかに違う。もうあれは過去なんだと思い始めている証拠だと思うとそれもまた複雑な気持ちで。
ふぅー
下を向き小さくため息をひとつ。
「あ、そろそろ帰る?」
そこで横から不意に声が聞こえた。ため息ついたの気付かれちゃったみたい。つまんないとかそういうことじゃなくて自分の問題なのに、彼に気を遣わせてしまうなんて。
「でも、」
ため息をついたのは彼のせいじゃない。ここに連れてきたのは私なのに、
「今日はもう遅いし、またいつでも来れるし」
そう言って自分の時計を指さし、そのまま会計をと言って素早くそれも済ませてしまう。私はその仕草にうっかり見とれてしまって「じゃ、帰ろうか」と声をかけられて我に返った。
「あ、はい」
そのままバッグを掴んで席を立ちあがると、
「あ、これ」
相良さんの声に振り返ってみると、手のひらの上に乗せられたスマホ。
あれ?この光景みた事……、
「え?!相良さんってあの時携帯拾ってくれた人?!」
「はは、やっぱり気付いてなかったんだ」
相良さんはそう言って苦笑い。
気付いてないどころかあの時、顔さえ見てなかったとはいえない。
このお店でこんな光景を見るのは……、先輩と来て以来だと言う事を今想い出した。
やっぱり想い出せばチクリと胸が痛むけど、前とは明らかに違う。もうあれは過去なんだと思い始めている証拠だと思うとそれもまた複雑な気持ちで。
ふぅー
下を向き小さくため息をひとつ。
「あ、そろそろ帰る?」
そこで横から不意に声が聞こえた。ため息ついたの気付かれちゃったみたい。つまんないとかそういうことじゃなくて自分の問題なのに、彼に気を遣わせてしまうなんて。
「でも、」
ため息をついたのは彼のせいじゃない。ここに連れてきたのは私なのに、
「今日はもう遅いし、またいつでも来れるし」
そう言って自分の時計を指さし、そのまま会計をと言って素早くそれも済ませてしまう。私はその仕草にうっかり見とれてしまって「じゃ、帰ろうか」と声をかけられて我に返った。
「あ、はい」
そのままバッグを掴んで席を立ちあがると、
「あ、これ」
相良さんの声に振り返ってみると、手のひらの上に乗せられたスマホ。
あれ?この光景みた事……、
「え?!相良さんってあの時携帯拾ってくれた人?!」
「はは、やっぱり気付いてなかったんだ」
相良さんはそう言って苦笑い。
気付いてないどころかあの時、顔さえ見てなかったとはいえない。