初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
さっそく料理に合わせて運ばれてきたワインで乾杯をする。

「えと、まずは結婚おめでとうの乾杯からだね?」

そう言って四人で一度目の乾杯。きっと今日も何度も乾杯するんだろうなんて思いながら……

12月という事でクリスマスを意識した彩りの前菜もとても美味しい。
相良さんは聞き上手で二人の旅行の話をうまく聞きだして、散々ノロケさせて四人で笑いながら食事を進めていった。

食事に合わせて飲み物が出てきているからか、ノリちゃんも必要以上に飲む事もなく、楽しそうにしている。もちろん絡むなんて事もない。

それにしても、相良さんて不思議な人だ。同じ年とはいえ、いつの間にか私たち同級生の中になじんでる。まるで本当に同じ学校だったみたいに。

「そういえば相良さんって学生の時って部活してた?」

「バスケとかかな」

「あぁ、なんかそんな感じ。うちのバスケ部もこんなイケメン揃ってたわ」

それを聞いて妙に納得。ノリちゃんみたいに声に出さないにせよ、私も同じ事を思ってた。その頃からこの容姿なら騒がれてたに違いない。私とはだいぶ違うタイプの人種だ。

「それじゃ俺達文化部とは接点なかったろうな」

「うちのブラバン、相当走り込んでて。俺達より持久力あったぐらいだよ」

「あは、うちも一年の時は学校の外周走らされてたよねー」

懐かしい。今までなんとなく避けてた学校の話題も難なく溶け込んでさらに昔話に花を咲かせていた。
そこに「そろそろデザートお持ちしてもいいですか?」と男の人の声が聞こえた。
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