初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「そういえばクルミ先輩。妹さんの結婚式で着る服、結局決まりました?」

「あ、」

「まさか忘れて――」

そう、すっかり忘れてた。妹の結婚式の事。バレンタインのことで頭がいっぱいで……、

「もうっ、駄目じゃないですか。これから見に行きます?」

「そっちじゃなくって。妹の結婚式の日にち相良さんに言ってない!」

言うチャンスは何度かあった、なんだかその度に話がそれて肝心な日にちの事、言ってない。

「は?!」

「招待するように妹に言われてて、」

「あーそういえばそんな事お正月明けに言ってましたよねー?」

……やっぱり。愛羅ちゃんに話してるのに、何で私は。浮かれ過ぎだ。きっとそうだ。

「とりあえず、メールしてみる」

バッグからすぐにスマホを取り出して、日にちだけ伝える。

【OK】

仕事終わりの時間だった事もあってすぐに返事が返ってきた。その画面を覗きこむ愛羅ちゃん。

「なーんだ。大丈夫じゃないですか。クルミ先輩が忘れてただけじゃないですか?」

「そんなこと、ないと思う」

だって言ってないはずなのに。

「ま、これで安心ですね。じゃもう一つケーキいいですか?」

ニッコリ笑って店員さんを呼ぶ愛羅ちゃん。
結局焦ったの私だけ。でも今は、目の前のケーキに集中しよう。
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