初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「……はい。」

「マジで焦った。そこで首、横に振られんのかとか」

断るとか、やだとかそんな事言うはずないってわかってるはずなのに。

「あ、でも……」
「だからっ、否定とか訂正とかなしって」

慌てていう相良さんにそうじゃないと伝えたくて、握られてた手をそのまま持ち上げる。

「あの、嬉しくて。これお母様の?」

「あーもともとは、ばーちゃんの。母さんももらったらしい」

そんな先祖代々の大切なモノ。

「私が頂いていいの?」

「クルミちゃん以外、誰がそれすんの?」

さも当たり前だと言わんばかりの相良さんが嬉しくて。

―――また頬を伝う雫。

「あーもうっ、クルミちゃん。泣くの、もうなしっ」

困ってるけど、でもちょっと嬉しそうな顔の相良さんが滲んで見えて、本当の意味でずっと一緒に居てもいいんだと実感がわいてくる。そう思えばまた涙が溢れてくるけど

「いいの、これは嬉しいのだから」

ただ指輪をしているだけなのに、相良家の人に受け入れられたそんな気持ちにさせてくれる。

「そか。なら凛子おばさんの言う事聞いてよかったな」

桃華ちゃんのお母さんの?

「さっき送ってった時に言われたんだよ。『潤季ちゃん、プロポーズにはちゃんと結婚の言葉を入れなさいよ。』ってね」

「え?どうして?」

「桃が何度もプロポーズされてるのに気付かなかったのはその言葉がなかったかららしい」

……まぁ確かに。それっぽい事言われてもどうなのかなって思うのはちょっとわかる。
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