眠り姫は夜を彷徨う
もう一度、紅葉は隣を歩く圭にそっと視線を向けた。圭は何か考え事でもしているのか、先程からずっと無言のまま自転車を押して歩いている。
その横顔を見る限り、表情から不機嫌さや何かは感じられないけれど。
(「少し歩きたい」だなんて圭ちゃんの都合も考えず我がままを言って付き合わせて…。悪いことしちゃったかな…)
それでなくとも、今日は朝早くからうちの母親に付き合わされて自分のことを探してくれていたというから、疲れているのかも知れない。
本当は、圭ちゃんに話したいことが一杯あった。
こないだの朝のことをまず謝りたかった。そして今更だけれど、その前日の夜のこともお礼が言いたかった。
そう、いつだって私は圭ちゃんにお世話になりっぱなしで。感謝の気持ちなんていくら伝えても足りない位なのに。
『放っておいてくれて良いから』
勝手に負い目を感じて。圭ちゃんの言葉に耳も貸さず、一方的に言ってしまった言葉。
確かに磯山さんに言われたことが尾を引いていた自覚はある。でも、あれではただの逆ギレというやつだ。
『本人が言ったんじゃねぇんなら、もっと相手を信用してやれよ』
本当に桐生さんの言う通りだなと今なら思う。
それに、もしも圭ちゃんが実際に迷惑だと今までの不満を募らせていたとしても、私としては感謝の気持ちを伝えること位しか出来ないのだから。その上で、これからは迷惑を掛けないようにと努めていくだけだ。
今日もこうして迎えに来てくれた。その事実が何より嬉しかったから…。
自分の素直な気持ちを伝えたい。そう、思った。
その横顔を見る限り、表情から不機嫌さや何かは感じられないけれど。
(「少し歩きたい」だなんて圭ちゃんの都合も考えず我がままを言って付き合わせて…。悪いことしちゃったかな…)
それでなくとも、今日は朝早くからうちの母親に付き合わされて自分のことを探してくれていたというから、疲れているのかも知れない。
本当は、圭ちゃんに話したいことが一杯あった。
こないだの朝のことをまず謝りたかった。そして今更だけれど、その前日の夜のこともお礼が言いたかった。
そう、いつだって私は圭ちゃんにお世話になりっぱなしで。感謝の気持ちなんていくら伝えても足りない位なのに。
『放っておいてくれて良いから』
勝手に負い目を感じて。圭ちゃんの言葉に耳も貸さず、一方的に言ってしまった言葉。
確かに磯山さんに言われたことが尾を引いていた自覚はある。でも、あれではただの逆ギレというやつだ。
『本人が言ったんじゃねぇんなら、もっと相手を信用してやれよ』
本当に桐生さんの言う通りだなと今なら思う。
それに、もしも圭ちゃんが実際に迷惑だと今までの不満を募らせていたとしても、私としては感謝の気持ちを伝えること位しか出来ないのだから。その上で、これからは迷惑を掛けないようにと努めていくだけだ。
今日もこうして迎えに来てくれた。その事実が何より嬉しかったから…。
自分の素直な気持ちを伝えたい。そう、思った。