雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。





「美雨は、生きてる。
でも、やべえ状態なんだよ。」



「や、ばい?」




パタッと涙が止まって、俺を見上げてくる。




「ああ。
生死を彷徨ってるって、言った方がいいかな」




美雨の今の状態は、死んでもいないし、生きてもいない。とても、あやふやな状態。




「あやふやな状態の人のための世界が、ここって考えたらいいよ」




できるだけ、美雨に理解してもらえるように伝える。




「そう、なんだ....、」




それでも、どこか納得していないような。
そんな表情が美雨の顔を見ていれば、わかる。


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