この暴君、恋すると手に負えません


「そういえば今日は光希さんとデートなんですか?」

すると桐生さんは咽ながらも、私をいつものように睨みつけた。

「……ち、ちがっ、そういうのじゃないっ」
「そんな照れなくてもいいじゃないですか。二人お似合いですよ?」
「あんまりからかうなっ」

桐生さんは恥ずかしさを誤魔化すように紅茶を飲んでいる。
そんな姿がやはりいつもと違って可愛く見えてしまう。


そういえば以前、光希さんとエレベーターに閉じ込められた時に桐生さんと光希さんは付き合っていたと聞いていた。東堂家から朱鳳家の執事になってからは二人の関係はどうなっていたのだろう。

確か光希さんがプロポーズして、きっぱり断られたまでは聞いたけど。


「あの桐生さん、聞きたい事があったんですけどいいですか?」
「何だ?唐突に」

桐生さんは横髪を耳にかけて私と視線を合わせた。
その時、帝さんが贈ったらしいブルーサファイアのピアスが耳元で揺れていた。


――ずっと、つけてるんだな本当に。


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