この暴君、恋すると手に負えません
「そんなお前だから傍に居たいって思うんだ。だから絶対俺はお前と結婚する。分かったな?」
あの妖艶な瞳でそんな甘い言葉を言われたら、また胸の鼓動が鳴り止まなくなってしまう。
私はこのまま抱き締められていると、この鼓動も伝わってしまいそうで恥ずかしくなった。
「……な、何言ってるんですか。玲奈さんっていう婚約者(フィアンセ)がいるのに……っ」
「玲奈だって俺との婚約なんてそんな本気にしてねぇよ。夜にでもあの縁談を改めて断るつもりだ」
「そんなっ、誉さんが黙ってるわけないじゃないですか!?」
「上等だ。さんざん振り回されたんだ。あいつのシナリオを滅茶苦茶にしてやろうじゃねぇか」
その時の悪戯な笑みはまるで誉さんと瓜二つで、やはりなんだかんだ親子なんだと思うと、私は思わず笑ってしまった。
「やっぱお前、笑うと可愛いな?」
「……っ、なっ、別にっ」
「照れてんのか?」
「照れてません」
「はは、やっぱ強がりだな。そこも好きだがな?」
――もう、この人は何でいつもストレートに思ったことを伝えてくるのだろう。
こっちの気持ちも知らないで、そんな嬉しそうな笑顔を浮かべられたら、私の抑えている気持ちが溢れ出してしまいそうになるじゃない。