この暴君、恋すると手に負えません



「帝、お前に大事な話がある」
「……何だ?」

誉さんは何かが書かれた紙を帝さんに見せつけた。

「美作虹美の雇用契約を解除しろ」
「断る」
「ふっ、誰に向かって言ってるんだ?社長の俺に逆らう権利なんてお前にはない」

私と瑛斗は二人の会話を盗み聞きながらも、次第に悪くなっていく雰囲気に不安を募らせていた。

「......何故だ?何でそこまで俺の邪魔をしようとする?」
「理由は二つある。ひとつはお前を社長に任命するからだ。そろそろ世代交代の時期だと思ってな、前々から考えていた。任命式は12月25日、お前の誕生日に予定している」
「……もうひとつの理由は何だ?」
「美作虹美がお前の婚約者として相応しくないからだ。いいか?朱鳳家に入るという事は、お前が考えているほど簡単な事ではない。生まれも育ちも違う、学歴も無い、そんな人間を迎え入れたら世間はどう思う?築き上げてきた朱鳳家の名に恥をかかせる事はこの俺が何があっても許さない」


ーーだから誉さんは私を帝さんから離れさせようとしていたんだ。



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