この暴君、恋すると手に負えません


だけど自分の描いたシナリオに自らは手を出さず、円華さん、光希さん、瑛斗まで巻き込んでまるで自分の駒のように操って、危ない事をさせるなんて人として許せない。

私は怒りのあまり拳をぎゅっと握り締めた。

そして皇帝は薄い笑みを浮かべたまま、さらに言葉を続けたのだ。


「だがこのまま辞めさせるのもあまりにも彼女に申し訳ない。だから退職金として5億を美作虹美に渡すつもりだ。一生遊んで暮らすには充分だろ?」
「……黙って聞いてりゃ、ふざけた寝言ばっかい言いやがって!!」

怒りに震えた帝さんは誉さんの胸倉を掴み上げた。だが、誉さんは動揺も見せず、挑発的な笑みを浮かべている。

「……もうお前のシナリオ通りにはさせねぇ」
「俺の邪魔をするのは自由だが、その度にお前の周りの連中がどうなるかは保証はできないがな?」
「虹美は絶対手放さない。それにもう誰も巻き込ませねぇようにこの俺がお前のシナリオってやつを止めてやる」
「面白い、この俺を止められるとでも?」


不意に誉さんが監視カメラに目線を合わせた。どうやら気づかれてしまったようだ。

そして誉さんは盗聴器にも気づいているのか、監視カメラに目線を向けたまま私に語りかけた。


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