この暴君、恋すると手に負えません
「……ごめん、瑛斗。私、行かなくちゃ」
私は瑛斗の手を振りほどくと慌てて誉さんの部屋へと急いだ。
そして、誉さんの部屋の扉を勢いよく開けると二人の視線は一気に私に向けられる。
「……来たか、美作虹美」
「何で来たんだ虹美!?」
誉さんのデスクの上にはあの雇用契約書があった。さっき見せつけていたのはこれだったのか。
私はその契約書を手に持つと、帝さんが私の肩に手を掛けて訴えかけるように声を荒げた。
「虹見、俺の事が信じられないのか!?もう誉の好きにはさせねぇ、だから安心して俺の傍に居るんだ。これは命令だ!!」
ーー帝さん、ごめんなさい。
私はその瞬間、契約書をびりっと思いっきり破いてしまった。
その様子を目を丸くして帝さんは見つめている。