この暴君、恋すると手に負えません
――気づけば、美作虹美がいなくなって三ヵ月の月日が流れていた。
帝様はまるで魂が抜けたかのように別人になってしまった。
いつも虹美を強引に己の思うがままに振り回していた頃の帝様は、毎日とても楽しそうだった。
しかし、今の帝様は年上のある女性に翻弄されている。
今日は玲奈様のウェディングドレスを選びに式場に訪れた。
彼女ほどの美貌があれば、例え布一枚でも華やかに着こなしてしまうだろう。
そんな冗談はさておき、彼女が華の舞台に選んでいるドレスを試着しているというのに、帝様は上の空といった様子でぼんやりしていた。
「ねぇ、帝。このマーメイドタイプのドレスどう?スタイル良くみえない?」
「あぁ、いいと思う」
「本当?じゃ今度はこっちのドレス着ようと思うけど似会うと思う?」
「あぁ、いいと思う」
ろくに彼女も見ずに答える帝様に玲奈様は少し困ったように笑っていた。
「帝、ちゃんと見て答えてほしいな?せっかくの二人の結婚式の時に着る大切なドレスなんだから」
「……あぁ、悪かった」
――この通り、主導権は彼女に握られっぱなしなのだ。