この暴君、恋すると手に負えません


そう、どうしてもというので一緒に連れてきた犬がいた。


「あっ、こんにちは光希様」
「え、ハチくんも?二人して本当にどうしたの?」

私の背後から顔を出したのは朱鳳誉の執事であり、私の後輩にあたる桜庭瑛斗だ。
この人懐こい愛嬌のせいか、気づいたら誰もが”ハチ”と呼ぶようになっていた。


私もその一人であったりする。


「……光希様にしか頼めないご相談があって」
「おっけ、とりあえず二人とも中にどうぞ?紅茶でも淹れるから」


そして部屋に入るなり光希様は私とハチに淹れたての紅茶を差し出してくれた。


「で、ご相談って何?」
「……それは」


私は顔を俯かせたまま静かに口を開いた。



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