この暴君、恋すると手に負えません
『
虹美へ
虹美がこの手紙を見つける頃には、もしかしたら私はもうそこにはいないのかしら?生きている時に見つけたなら、恥ずかしいから遺書として、おばあちゃんがいなくなってから読んで頂戴ね。
70を過ぎてからは、体は元気でもいつ急に虹美に会えなくなるのかと不安になる時もあります。だから生きているうちに、虹美にいつも思っている事を伝えます。
まず、両親を亡くした時にまだあんなに小さいのにも関わらず、強がって涙も見せなかったこと。おばあちゃんに心配かけまいとあなたなりに気遣ってくれたのよね?でもその気持ちは嬉しかったけど、少し心配でした。
優しい虹美は人の気持ちを優先して、自分の気持ちを隠してしまうところがあって、いつかそれが自分自身を傷つけてしまないか、おばあちゃんは気がかりです。
だからね、自分の本当の気持ちを隠さずにきちんと伝えられる人になってほしい。
そしてその気持ちを伝え合える素敵な人と幸せになってほしいと心から思っています。
虹美。
きっとあなたが好きになった人ならあなたを必ず幸せにしてくれる。
だから、この人だって思える人ができたらその人を信じてあげて下さい。
自分の気持ちに素直になること忘れないでいてね?
あなたと過ごす日々は毎日が宝物です。
虹美、あなたが生まれた日のことは一生忘れません。私に幸せを与えてくれてありがとう。おばあちゃんはずっと虹美のことを見守っています。
美作 叶 』