この暴君、恋すると手に負えません
「虹美さんにはサプライズゲストとして、是非来てほしいの」
「……困ります、私はもう何の関わりもないので」
玲奈さんは私の片手をぎゅっと握り締めて、懸命に訴えかけるように話し始めた。
「……虹美さんがいなくなってからずっと帝は元気がないの。だからあなたの顔を見たらきっと帝は元気になると思う。だから来てほしいの」
「……すみません、考える時間をくれませんか?」
玲奈さんは私の手を離すと、眉を下げて困ったように笑いながら小さく首を縦に動かす。
「はい、勿論です。当日いらっしゃるかどうかは虹美さんが決めてください。席はご用意しておきます。良い返事を待ってますね?では私はこれで」
玲奈さんは丁寧にお辞儀をしてから、外で待機していた白いリムジンの中に乗り込んでいた。
--その時、私はあの妖艶な流し目と目があってしまった。