この暴君、恋すると手に負えません
「……何で、あの人が?」
そして私はすぐに気づいた。
きっと、これもあの皇帝朱鳳誉のシナリオだったのだ。
きっと帝さんへの想いを知っている誉さんは、私が二度と帝さんに会う事がないように、玲奈さんの結ばれるところを見せつけようとしているのだろう。
もう、手に取るようにあの人のシナリオが分かる。
そして、性懲りもなく今度は玲奈さんを使って何かを仕掛けようとしているのかと思うと、私はぶつけようのない怒りが込み上げる。
一方、車の中ではこのような会話が繰り広げられていた。
「誉さん?帝に内緒でこんな勝手な事して本当によかったんですか?」
「あぁ、勿論。美作虹美には帝が幸せになる瞬間を誰よりも見守るべきだからな」
「……そう、ですか」
皇帝の新たな企みの影がやはり見え始めていたのだ。