この暴君、恋すると手に負えません
「私の事より南くんこそ、クリスマスなのにバイト入れちゃって彼女さん放っておいていいの?」
「俺、彼女いませんよ?……好きな人はいますけどね、なんて」
「そうなんだ」
「何で?俺のこと気になりますか?」
「全然」
「虹美さん冷たすぎですわ」
「……私も好きな人いるし」
私がぼそりと呟いた一言を聞き逃さなかった南くんは悪戯な笑みを浮かべ、耳元でそっと耳打ちした。
その言葉に私は体中が熱くなるのを感じた。
「……絶対言わないから、そんなことっ」
「まぁ、それは虹美さん次第なんで言うか言わないかは任せます。じゃ、そろそろ俺行くんでデート楽しんできてくださいね?」
「だからデートじゃないってば!!」
私を茶化しながらあの憎めない笑みを浮かべて南くんが立ち上がる横で、私は大人気なくムキになって全否定していた。
悪意はない彼は、おつかれさまですと言い残してそのまま休憩室を後にした。一人残された私は南くんが耳打ちした言葉が頭から離れずにいた。