この暴君、恋すると手に負えません
顔の熱が冷める頃、ふと約束の時間が近づいている事に気付き、慌ただしく帝さんとの間に合わせの場所に向かった。
だが店を出た時、黒い外車が待ち構えるように止まっていたのだ。すると中からある人物が私の前に姿を現した。
その人物はーー……。
「み、光希さん?」
私は予想外の人物に思わず声を上げる。すると光希さんはあの緩い笑みを浮かべたまま私に歩み寄った。
「虹美ちゃん、久し振りだね。元気だった?」
「……え?あぁ、元気ですけどどうして光希さんがここに……っ!?」
その時、私は背後から近づく影に気づいていなかった。後ろから誰かに睡眠薬のようなものを嗅がされた私は、次第に視界が歪んでいく。
ーーそして光希さんの妖しげな笑みを最後に、私の視界は真っ暗闇に閉ざされてしまったという訳で現在に至るのだ。