この暴君、恋すると手に負えません


ーーそうだ、光希さんはどこにいるの?


私の意識が遠のく前に、偶然とは思えない光希さんとの再会を果たしていたのを思い出した。

現時点では私以外、誰一人の姿も見当たらない。周りには工事現場でよく使われるような足場に使う鉄筋が積み重なっており、目の前の大きなシャッターは完全に締めきっていて、もう一つ逃げれる場所といえば、月明かりが差している頭上の小さな窓くらいだ。

不幸中の幸いか、下半身は自由に動かす事が出来た私は、どうにかここから離れようと試みる。

月明かりを頼りに積み重なっている鉄筋の上を踏み上がり、窓の外を観察するように見渡すと、どうやらここは港の側にある倉庫のひとつらしい。



< 324 / 409 >

この作品をシェア

pagetop