この暴君、恋すると手に負えません


「……いい加減にしなさい!!」


何処か帝さんに似た色気を醸し出している美し過ぎる美女がいた。その整った顔に似つかわしくない鬼の形相を浮かべていたのだ。


「……か、馨(かおる)!?何故お前がここに!?」
「そんな事はどうでもいいの。私、帝にあなたがした事を全部聞いて、もう居ても立っても居られなくなって来てやったのよ」


あの皇帝はその馨という美女を見るなり、今まで見たことないほど取り乱していた。その美女は皇帝の胸倉を掴み上げながら、ひたすら怒声を浴びせており、その様子を呆然と見ていた私は疑問を投げかける。


「……あの、帝さん?あの女性は?」
「朱鳳馨、俺の母親だ」


--え!?帝さんのお母さん!?


「あの誉が、この世で唯一逆らえない圧倒的な力を持つ女だからな。誉を懲らしめるのにはちょうどいいと思って無理言って連れてきた」
「……そ、そうだったんですね」


私たちが会話している間にも、薫さんは容赦なく怒り任せに誉さんを説教していた。


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