この暴君、恋すると手に負えません


「大体あなたみたいな男に、息子の恋を邪魔する権利なんてないのよ。なんでもかんでも自分の思い通りに事が進むわけないのにバカじゃないの?……親子なんだから思ってる事があるなら、回りくどい事してないで言葉で伝えなさいよ」
「……分かった。俺が悪かった」
「謝るのは私じゃないでしょ?」

薫さんは皇帝の胸倉を掴むのをやめると、私を見るなり申し訳なさそうな顔をして深々と頭を下げていた。

「……この人のせいで、今までたくさんご迷惑をお掛けしてごめんなさい」

その薫さんの姿を見た皇帝は眉間に深く皺を寄せた。そして薫さんの姿を見て皇帝は眉間に深く皺を寄せたまま、同じく深々と頭を下げたのだ。

「……すまなかった。でも、私は一代でこの朱鳳家の名を世界に広めた。だからそれまでの努力を無駄にしたくなかったんだ。
朱鳳の名に恥じないために守ってきたからこそ、そのプライドもあってどうしてもお前のしている事が許せなかったんだ」




--この時、初めてあの皇帝の人間らしさを感じた気がした。




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