この暴君、恋すると手に負えません
すると皇帝は隣にいる馨さんの手を握り締め、潤んだ瞳で見つめながら呟く。馨さんのその瞳を魅入るように見つめ返していた。
「……馨、俺が悪かった。やはり俺はお前がいないとだめだ。このまま一緒に帰らないか?」
「……誉」
「もうお前が離れてしまうような男にはならないと約束する。だから帰ってきてくれ、俺にはお前が必要なんだ」
馨さんはどこか嬉しそうな笑みを浮かべながら小さく首を縦に動かした。
「今宵は聖なる夜だ。二人でどこか食事でも行かないか?ゆっくり話がしたい」
「……私も話したいことがたくさんあるわ。この十年間の思いを全部聞いてもらうんだからね?」
そして皇帝は視線を私に向けると、馨さんの手を離してもう一度深々と頭を下げる。