この暴君、恋すると手に負えません
「……君には許されないほどの事をしてしまった。だが謝らせてくれ。俺が悪かった」
あの皇帝が一度ならず二度までも頭を下げていた。帝さんは不安げな表情で私の顔を見つめていたが、私は抱き寄せていた帝さんの腕から離れると皇帝の前に歩み寄る。
「もういいですよ、顔を上げてください」
「……しかし」
「きちんと悪い事をしたらごめんなさいが言える人は許してあげなさい」
「……え?」
その言葉に誉さんは驚いたようにゆっくり顔を上げる。
「……って、祖母に小さい頃から言われてきてなたので。私は謝ってくれたならそれでいいですから」
「……そうか、ありがとう」
ーーその時、私は驚きの姿を目の当たりにした。
初めてあの皇帝が、もとい、誉さんがとても優しい温もりのある柔らかい微笑みを浮かべていたからだ。
その微笑みは帝さんによく似ていて、私もつられるように笑みを浮かべた。