この暴君、恋すると手に負えません
「帝、もうお前の邪魔はしない。お前の好きにすればいい」
「言われなくてもそのつもりだ。息子の心配なんてしなくていいから、久々夫婦水入らずの時間を楽しむんだな」
「……あぁ、そうさせてもらう」
そして誉さんと帝さんは互いの顔を見るなり、不敵な笑みを浮かべていた。誉さんは馨さんの手を取ると、私たちに会釈してそのまま二人でこの場を後にしたのだった--……。
「……帝さんは全部分かってたんですか?」
幸せそうな笑みを浮かべる二人を見送った後、私は隣にいる帝さんに問い掛けた。すると帝さんは意味深に口角を吊り上げる。
そしてまた新たに忍び寄る人影に気づいたその時、全てが明かされるのであった。
「この俺を誰だと思っている?まぁ、光希が裏で誉に手を貸していたのは予想外だったがな」
--え?どういう事?
「ごめんね、虹美ちゃん。また怖い思いさせちゃって」
そう、忍び寄る人影の正体は光希さんだったのだ。
「……状況が全く掴めないんですが、どういう事ですか?」
私は一人、頭を抱えていると見兼ねた円華さんが歩み寄りながら説明し始める。